愛知県知多市 新舞子造園工事6 植栽の前に・・・

庭の面積が少ないと、植栽はどうしても少なめになります。

また、金額やメンテナンスなど植えたい気持ちはあっても、現実的な問題でやめようという事もあります。

 

昨今の一般的な外構だと、駐車場1~2台と機能門柱、園路+階段にシンボルツリーと言う感じです。

樹造園の私の事務所兼家もまさにそれで、駐車場2台分にアプローチです。

下の写真がそれです。

 

構造物はオリジナルの機能門柱(立水栓兼インターフォン)や宅配ポストを縫う園路で構成され、

玄関のタイルのポーチは家を建てるときに、自分で作るので不要ですと、初めから作らず造園仕事で大判の鉄平石を据えてあります。

そして園路の両脇を植栽にしています。

この植栽ですが、車一台分くらいですが、これだけのボリュームがだせます。

それは、ここもセメント類など使わず、全ての土面積に対して、植栽が行えるからです。

 

階段にブロックを積んで、タイルを張ってなどとすると、基礎やその下の砕石などが植栽には邪魔であったり、

成分的にふさわしくないアルカリが出たり、転圧による硬い層が出来たり、植物が育ちにくい環境になってしまいます。

 

一般的に外構屋という人たちは、植栽に疎い人たちであることが多い気がします。

あらかじめ木を植えることを前提とせず仕事をしてしまうんですね。

 

この家の場合、家が建つ前の計画段階から庭の計画が作ってあったので、給排水、汚水の管などの経路も指定し、

家の地面からの高さ(1階のフロアライン)も指定して建ててあります。(建築会社は高さの管理が苦手なことが多いです)

 

家を建てる会社は、庭を作る会社と別会社(協力会社で分業)であることが多く、後は知らないとばかりに、家を建てていきます。

いざ外構となった時に、アプローチの真ん中に排水の点検口や水道の量水器があったり、

駐車場を作るために掘削し始めると、とんでもなく浅い位置に給排水管があったりします。

家を計画する段階で、樹造園に相談していただくことで、無駄なものを作らずに済んだり、見た目に美しい外構を作ることもできます。

 

 

さて、本題に戻り植栽ですが、シンボルツリーを管理が楽なアオダモとし、

そのほかの木は比較的成長の遅い物、もしくは中低木に分類されるものを配しています。

一般的に庭木に植えられる高木は、本当にスクスク大きくなる木で、私から見たらなんでその木をそこに植えたんだろう?と、疑問に思うものです。

中低木くらいを、時間をかけてじっくり成長させる方が管理も予算的にもはるかに楽です。

 

また、木と言うのは盆栽の様に一本で存在することはふつうありません。

また、花壇のような土ばかりのところに生えてることもあまりありません。

 

植物を育てるというと、農業の技術の応用か、盆栽のような鉢植えの技術の応用によってされてきました。

しかし庭木には庭木の技術と言うものがあります。

山砂で庭を作った後に、植え穴を掘り、土壌改良材を混ぜ木を植えるやり方、これは木を知らないのかもしれません。

コンクリートで固められた中のわずかばかりの植栽スペースでは、ほとんどはまともに育たないか、大きく育つと迷惑がられる存在になるものです。

 

目的の木を植えるためには、あらかじめその土地にどのような工事が必要で、そのためにはどれぐらいの広さのスペースや土量が必要か、

それを確保するために、どんな園路が作れるか、の様に考える必要があるのです。

多くの計画は順序が逆です。

植物は生き物です。

家を作った結果空いたスペースでキリンを飼おうと思ってもできません。

小さなカゴを買ってきて、そこで大型犬を飼うこともできません。

生き物には、必要な空間を確保してやることが必要です。

植物でいえば、土とその性質、上空の空間と、隣地境界の問題、そして日照などです。

 

 

 

 

 

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