愛知県名古屋市守山区 4 暗渠排水

フェンスの工事を行う少し前、庭の排水が悪いという事で以前外構を行った業者が排水のための処置をサービスでしてくれるという事をメールで連絡を受けました。

業者の提案したプランとしては、集水桝を設置して排水をしようと言うものでした。

一般的によく行われる排水処理です。

 

ですが、集水桝に水を入れるためには、桝まで勾配を作り、表面を水が流れるようにする必要があるのです。

また、それが抜群に機能するようでは、雨水は地表を流れるだけになってしまいます。

植木鉢で考えるとわかりやすいのですが、水は鉢の底から流れ出ることで、土中を潤し、酸素を引き込み、二酸化炭素を排出するのです。

鉢の表面にたまった水を、土に染み込ませることなく捨てていては、水遣りにもならず、土中の換気にもなりません。

 

酸素が供給されることで、土中の有機物が好気性バクテリアによって分解され、植物が育つ環境が出来ます。

これが酸素が供給されないようだと、嫌気状態になり、メタンやアンモニア、硫化水素などが発生し、植物の根はダメージを受けます。

 

 

という事で、暗渠排水を設置してもらうようお願いし、施工してもらったのですが、いまいち排水が良くないらしい。

フェンスは梅雨前に工事が終わったので気が付かなかったけど、9月には写真の状態。

デッキのすぐ前に並行して暗渠が設置されているはずだが、水が溜まって藻のようなものが見えている。

試しに暗渠の上を掘って、土をどかして砕石のフィルター層にホースから直接水を流しても、暗渠の出口となる集水桝からいっこうに水が出てくる様子が無い。

 

暗渠のやり直しです。

土を除いて、フィルター層まで露出させると、透水マットに砂利が包んであり、ちゃんとした仕事をやっているような。

 

砂利を取り除いたところ。

指定した暗渠パイプと違う・・・

滾々と水が湧くような場所であれば、このVU管に穴が開いたタイプでも排水するかもしれないけど、この場所ではこれでは流れない。

 

上の写真の一番奥の部分。

デッキの下はブロックを積んで、庭の土を嵩上げしてあるので、私はブロック基礎底の高さで配管をしてほしいとお願いしたのだが、

それは出来ないという回答で、何故出来ないのかわからなかったが管はブロックに横穴を開けて庭から外へと配管してあった。

上の写真の裏から見たところ、ブロックから出た管をもう一度落として近くの排水桝へと接続している。

写真を見ると、ブロックの基礎底の土と、側面の土が色が違うのが分かる。

底の土は地山の粘土質で、側面は外構時に搬入した山砂である。

水を山砂の層を速やかに浸透させ、粘土層で横方向に移動させるしかないのだが、暗渠管が浅いことで、管より下の層に水が溜まってしまう。

粘土層と暗渠までの差がプール状になってようやく排水が機能する、オーバーフロー管になってしまっているのだ。

管を取り除き、ブロックの基礎?底を通すことで、管底を15cmほど下げることが出来た。

 

すべて取り除き粘土層の高さまで掘った。

ついでなので少し回り込むように延長している。

暗渠パイプにも透水マットを巻き、フィルター層の透水マットは流用させてもらった。

暗渠管は全周穴あきのネトロンパイプで、当然下方向に漏れてしまうが、パイプの下は粘土層でそれ自体が管底と言っても良い。

横方向の移動の手助けになればいいくらいの考え方だ。

また、将来的に詰まっても、洗浄が出来るようにしておいた。

施工後ちょうど雨が降ってきた。

 

しかし、問題はこの庭を作った時の山砂にあると思っている。

フェンスの基礎を掘っていて思ったのだが、何となく転圧が甘いうえに、比較的粘土分の多い山砂。

緩い土は水をスポンジのように蓄えてしまうし、粘土が多い土は排水も悪い。

予算がある事なので、これを取り除いてなんてことは今からできるはずもないので、土壌改良によって排水を良くしていく事が出来ると思っている。

暗渠はその時まで機能してくれていれば、とりあえずいい。

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