「剪定について 前書き」に続いて
1.と2.は密接に関係しているので合わせて書いていきます。
1.金額的にどうか 2.技術的にどうなのか
庭にかけられる予算には当然限りがありますので、安いに越したことは無いですよね。
また、どこの誰が技術があるのかというのは、どうやって見分けたらいいんだ?と自分でも思います。
自分もネットでいろんな人のブログや、ホームページ等で施工事例を見る事があります。
自分がプロだからわかるけど、そもそも剪定の仕方を知らないから頼もうと思っている一般のお客さんには、それが上手いか下手かというのはわからない事かもしれません。
自分は金額の事はよく知らないのですが、安い代表としてシルバー人材センターというのがあります。
「今まではシルバーさんにやってもらっていた」
「シルバーさんがなかなか来てくれないのでお願いしたいと思って」
のような事を言われることがあります。
または合い見積もりなどで、便利屋さんのようなチェーン店のような会社と比較されることもあります。
そういう所は一本いくらとか、㎡あたりいくらとか、ホームページに金額が書いてあったりしますね。
ただし、※書きでいろいろ書いてあるので、実際にはよくわかりません。
ちなみに樹造園の私は雰囲気は全くないかもしれませんが、ジャンルでいえば庭師だと思っています。
庭師というのは、厳密には木を剪定するのが仕事ではないというか、庭をより良く造って行くのが仕事です。
庭を良くする作業の中に、木をより良い形、雰囲気に仕立てていくという作業があります。
3つの剪定を行う業者を挙げましたが、最初の二つはこうしてほしいと言えばそのように剪定してくれます。
ただ、庭師の場合希望通りに剪定してくれない場合があります(笑)
私を含め、知っている多くの庭師は変わり者ばかりだからです。
いや、それだけでは無いです。
庭師以外の業者は、どの木をどう切ってほしいと言うお客さんの注文によって作業を行います。
「3mの木を2mにしてほしい」とか、そういう注文です。
でもそれって本当に大丈夫ですか?
その木を2mにした結果、その木に今後何が起こるかお客さんは分かって言ってますか?作業する人はどうなるか分かって切ってますか?
お客さん自身に十分な剪定や木の生育に関する知識や経験があるけど、
体力的にきついから業者に作業をお願いしてるなら良いかもしれません。
でも、知識も経験もない場合、素人が監修して作業を行う事ってありますか?
そしてその通りに作業してしまう業者ってどうですか?
庭師が聞きたいのは、その木をどうしたいではないのです。
例えば
「庭が暗くなって困っている」とか
「隣に落ち葉が落ちてしまうから」とか
「こうしていきたい」とか
思いを言ってもらえると、だったらこういう方法がありますよ
と言う提案が出来るのです。
そしてそのために
「こういう剪定をしましょう」となっていくのです。
前の
「3mの木を2mにしてほしい」と言う依頼が出た場合、自分ならそれは問題があるだろうなと思った場合、
その結果、こういう事が起きると思いますが良いですか?と確認をします。
そしてそうならないためにはこういう方法はどうですか?と提案します。
以前こんな剪定の依頼がありました。
「今の感じが最高で剪定したくない」
です。
シルバー人材センターや、一本いくらで剪定しますの業者にこの依頼をしたらどうなるでしょう。
答えはきっと
「だったら切らないでおきましょう」「依頼するな」でしょうか。
【庭が造れる庭師なら】こんな依頼でも剪定できるのです。むしろ大喜びで。
お客さんにどんな感じが気に入っているのかなどいろんな話をしながら作業の方針を決めました。
ボリュームをほぼ変えず、枝の雑味を取り除き、その庭が長く維持できる剪定を心がけ、帰宅されたお客さんに喜ばれました。
前置きはこれくらいにして、剪定金額の話です。
と言いながらまたたとえ話ですが、
車屋に行って、車はいくらで買えるのか?と言ってもいろんな車種があり、その中でも色んなグレードやオプションがあります。
それと同じように、庭木の剪定にもいろんな樹種があり、いろんな大きさがあり、いろんな樹形があります。
いや、工業製品である車と違い、庭木と言うのはいろいろな要因や、そもそもの個性もあり、一本一本が違います。
そして、剪定の技法と言うものも、幾通りもありそのどれを選択するかによって作業量も全く異なります。
木にもよりますが、一本の木を1時間で作業することもできるし、6時間かける事も出来るわけです。
なので一本いくらとあらかじめ示すことが出来ないのです。
やり方が一通りしかないなら金額も提示できるんですが。
なので逆に、
「予算○○円でやってほしい」
と言われれば、だったらこれくらいの事をやりましょうとは提案できます。
交通費などは同じだけかかるので、量があるなら一日分くらいの作業の方が割安感はありますよね。
見積を依頼されて金額を出すときも、交通費+作業時間+処分量を考えて出しています。
ただ前にも書いたように、作業の方法は一つではないので、本当は見積の段階で複数のプランを提案すべきだと今思いました。
出来れば現状維持よりも、毎年少しでもよくなるくらいの予算を取ると庭がどんどん良くなります。
逆に言うと、あまりに予算が無いと技術があっても良い仕上げ方にするだけ時間が取れない事にもなります。
庭づくりの石張りのような作業でも、この石張り下手糞だな~って場合だいたい、
材料をケチったか、予算をケチったか、職人の技術が無かったか、です。剪定でも一緒です。
剪定の話ですが、樹造園は慣習的に多く行われる刈込バサミや電気やエンジンなどのバリカンによる刈込という作業を基本的に行いません。
多分以前にどこかで書いたような気がするので省きますが、大事な事なのでしつこくまた書くかもしれません。
簡単に言うと、刈込だけやって庭木が悪くなることはあっても良くなる事は無いからです。
なので樹造園の剪定は、輪郭で単純に切っていくと言う作業をしません。
仕上がりは刈り込んだようなシャープな印象とは違い、モコモコふわふわです。
表面のみの刈込と違い、込み合った不要枝、枯れ枝などを時間がある限り取り除いていくので、徐々に木が洗練されていきます。
生垣だけでなく、単木の庭木でも枯枝が多く残るような剪定や、太い切り口が輪郭に多く見えるような剪定を見かけます。
そういうのは庭木がどんどん悪くなります。
悪い剪定を直すには、同じ年月だけかかるともいわれますし、庭木の価値が一発で無くなるような悪い剪定も見かけます。
悪くなった木を本当の意味で直すことは出来ません、特に自然樹形を大事にする雑木のような木では幹の更新くらいしかないです。
施工事例で胸を張って「スッキリしました」と書いてあるようなものは、だいたい切りすぎで剪定の知識が無い人です。
このブログを読んでいる人には関係ないかもしれないですが、庭木に幻滅している人たちがいると思っています。
それは直接的か間接的にかわかりませんが、無残な姿の庭木によるものだと思います。
安さを追求すると、技術の無い業者が台頭してきます。
木を切るのは鋏とノコギリと体力くらいがあれば出来ますからね。
でもそれと「剪定」が出来る事とは違います。
樹造園は、作業に入る時は剪定だけでなく、ごみを拾ったり、処分に困っている不要なものは無いか聞いたりしています。
先日は枯れた木の抜根と新たな木の植栽、それに合わせてカーポートの塗り替えのような作業まで行いました。
それはすべて庭を造る事、より良くする事につながると思っているからです。
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